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民具
まえがき あとがき

鳥屋町長  長屋 ―二

 このたび曳山・郷土資料の展示等を主とした文化研修施設"ふるさと創修館"を建設し、伝統文化の継承と、新しい文化創造の礎石となるよう期待を寄せております。

 今、文化財保護審議会が、この創修館の建設を機として、消滅しつつある文化遺産としての民具の保存と継承のため、調査と収集、整理保存に取り組まれ、創修館での民具展示に加え、民俗資料館の整備も併せて行い、庶民の生活文化の再発見と歴史的価値の見直しをねらいとして、ここに「鳥屋町民具図録」を発刊なされたところです。

 かって私たちの祖先が使ってきた、汗とあぶらのにじんだ民具はムラを支えてきた人々の生活・変遷を実証してくれる文化遺産です。

 本書の発刊は保存継承と人々への理解をはかるうえからも誠に意義のあることと思われます。どうか学校教育・社会教育・家庭教育などあらゆる方面に活用されることを願うものであります。

 本書の編集発刊に当たった文化財保護審議会並びに関係各位の労苦に対し謝意を表し、更なるご活躍をお祈り申し上げます。

平成8年8月


まえがき

 昭和30年代からの高度経済成長は、急速に暮らしの合理化、機械化を進め、衣食住から生産生業・社会生活にいたるまで、これまでの長い生活の中で使ってきた民具から風習までも、かき消すかのように消滅させていった。私達の祖先が汗水流して使ってきた民具も今では、不用なものとして、蔵や納屋の隅に捨てられ、あるいは廃棄されたりして再び眼にすることができなくなったものも多い。

 民具は、生活文化の印である。それぞれにエ夫と改良が加えられてきた生活文化財である。

 町文化施設"ふるさと創修館"の建設を機に、不用なものとして死蔵されている民具の有無の調査と提供を全家庭に呼びかけ、民具収集に協方を要請した。

 さいわい多くの方々の理解と協カが得られ予想以上に収集することができた。

 集めた当初はガラクタ屋の物置のようになったが、その後、約半年かけて分類整理し、収蔵カード作成等をして展示にこぎつけた。

 資料をとおして、昔の人々の生活文化にふれ、生活の知恵の再発見をさせられるものも多いし、風土とのかかわりや推移変遷を推し量れる資料価値の高いものもある。

 民具は無数にあろうが、収集できた量や本書に取り扱った数には限りがあり、そのうえ説明不足はカ量不足からである。ささやかな本書であるが、少しでも散逸、消滅しつつある民具の保存と継承に役に立てば幸いである。

凡例

分類・配列は文化庁内民俗文化財研究会編「民俗文化財の手引き」を参考とした。

民具の呼称は原則として片かな表記とした。

民具提供者の氏名は収蔵カードに記載し、本書には割愛した。

収集民具にできるだけ解説を付けるよう配意した。

文化財保護審議会


あとがき

 やっと「鳥屋町民具図録」ができました。これは町文化財保護審議会、平成7・8年度の重点事業として、民具の収集と整理、民具図録の編集発刊を計画し、実施したものです。

 納屋の隅から天井裏まで、すすとほこりにまみれ、真夏日の収集作業は大変でした。今ではこれも楽しい思い出になりました。

 「近く納屋を取り壊すから欲しいものがあったら持って行ってくれ」「うちに空家を物置にしているが、間に合う物があったらどうぞ」と、ありがたい電話を下された方もあって飛んで行きました。約3か月の短期間での収集であったが、予想以上に多くの民具が収集できました。珍しいもの、貴重なものも提供して下さいました。

 秋の農繁期を終えてから整理・分類・洗糠作業をして、やっと収集民具の―部であるが創修館への展示にこぎつけました。4月以来収蔵民具の整備のかたわら、民具図録の執筆編集に当たってきました。

 民具を提供して下さった方々、収集整理に当たった委員の皆さん、表紙には民具にふさわしい版画を画いて下さった青野政美氏、多くの方の惜しみないご支援とご協方をいただきました。さらに、町長 長屋―二氏からは期待を込めた序文をいただき重ねて深く感謝の意を表しますとともに衷心よりお礼を申し上げます。この図録が少しでも教育資料として、また民具の保護、保存に役立てばありがたいと思っています。

平成8年9月

町文化財保護審議会

会長  高木 清


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(写真は平成8年9月刊行の「鳥屋町民具図録」より)