449.狐にだまされた話ー狐と油らげ

川田    守山  裕美子

  昔のこっちゃ、校一杯飲んできたり、よばれて腰に油揚げなどしぱって帰ると・必ず狐にだまされて油揚げとられてしもたと。油揚げでも買うてきて、途中に狐にたぷらかされると、持っとる荷物が重たあなって動かれんがになるげて、そんなときに油揚げでもとられてないがになるげて。

「類話」

狐にだまされた話

末坂    三野  喜美子

  兄んさま、酔いつぶれるほど飲んできたと。ところが土手に狐がおって、尻尾で操るもんで、操られるままにあっちへふらふら、こっちへふらふらしているうちに、兄んさま持っとった折詰の料理を子狐がとってしもうたげと。親狐がそんながにして人をだまいて、子狐に食べさせるぎとい。 兄んさまは、今日はどこまで行っても山道なんか里道なんかわからんし、着物も泥だらけになったが、折詰は持っとったと。でも、どうやら家へついたが、折詰の中は空になって何もなかったと。
  これでけんけんぽっとくそ。