431.夜なべ仕事

末坂    沢間 政一

  おらっちゃ子供のころは、北海道の二シンを包むハチカンムシロをおるのが、一番の大事な収入やった。
  冬仕事であるが、縦縄縫いが大変やったので、子供は囲炉裏端でこの縦縄をコトボシ灯いて手伝いしたもんや。囲炉裏のそばに藁を何ばかぁてがいされて、それを縫うたら寝てもいいちゅがになっとった。あてがいぶちやった。わけにいかなんだわいね。父とは庭か納屋でムシロをおっとった。
  母や婆は石臼でケンドン下の屑米を引いていた。粉にしてヤッケダンゴにして食べた。
  電気のついたのが大正十年ごろやった。何ちゅう明るいもんやなと思った。