410.みたらしの池

黒氏    平野  晶平

  踊り場のすみに小さい池があるわいね。そこに大きいタブの木があるが、台風で上の方が折れとるが、いつもしめ縄かけたるわいね。この木の下の小さい池を"みたらしの池"というのや。いつもきれいな水が出とるわいね。
  この池には春と秋の祭りに御幣をつるしてお祭りしるげぞね。黒氏ではこの池を"神様池"ともいうて大事にしとるげ。黒氏の水のよいがこのお陰やといって、昔の人はこの池の水を汲んでは飲み水にしとったげ。この池の前の踊り場はお祭りの場となっとるわね。