406.農閑期に坊さんを招く

瀬戸    南谷  静・南谷  ときの・島田  すず子・南  春枝

  この在所に寺がないもんで説教場ちゅうがあって、お寺の代わりみたいがになっとるげね。そやさかい説教場には、阿弥陀さんや御開山様などの仏様も安置してあるげわいね。そうして、農閑期の二、六、十月の年三回お参りの会が開かれるわ。伊久留の宿善吉か七原の閑窓寺の坊さんに来てもろうが、時に輪島や能都町などの奥能登から坊さんを招いて説教してもろうこともある。こりやみんな当番の配さいでしておるわいね。
  当番は在所を三組にわけて、一、二、二班で一組、四、五、六班で一組、七、八、九班で一組となって、一組が一年間のお世話をしとるがで、三年に一回当番がくることになるわけや。お参りはたいて、日曜日にするもんで、若い人も参ってやさかい、でかいお参りになるわいね。