393.親という字

良川    千場  つき

  どんだけ親が馬鹿でも、どんだけ足らん親でも、親ちゅう字は立木に見るて書くわいね。そやさかい親という宇は立木に見るぎゃさかい、我れがどんだけ偉なったと思うても、親の方が偉いぎと。
  そやけどこのごろは「を振り向く子はまれな」ちゅうて、本当に変わってしもたわいね。「親が馬鹿でも子供はその上にあがるべからず」やちぎやわいね。