370.町屋のイボ石

良川    千場  つき

  町屋の在所にイボ池ちゅう池がある。そこにイボ石があるぎやとこと。イボができるちゅうとね、その池にある石をちょっこし欠いてきてイボをこするちゅうと、イボが落ちるぎゃちゃ。その石が今でもあるやろがいね。
  おらちゃ子供のときにゃ、でかい石やった。それをちょっこし欠いてきてこすると落ちる。それも弘法様の伝説やわ。
  金城霊沢の横の金沢神社の鳥居のそばにある楕円形の石があるが十二代藩の主前田斉広(なりなが)夫人が能登の町屋村から移したものだというイボ石があるわいね。