356.火の地蔵(廿九口)
廿九日 北原 栄吉
あるときに京都から来たお坊さんがこの地蔵さんを見て、これはこういう場所においては可哀想や、これは火の守りをする、廿九日の在所を火から守っとっての地蔵さんや、こんな所に置いてもだめやていわっしゃったわけや。そこで、人通りの多い廿九日の県道沿いへ来て、そして祠堂を建てたぎい。
そして、八月二十四日に在江の栄林寺の坊さんに来てもらってお参りをしとるぎやわいね。
自分らの記憶のかぎりには、火事がないわいね。やっぱり守ってもらっとるぎやね。