355.六地蔵と避病院(末坂)

末坂    沢間  政一・山本  与作

  火葬場へ行く道に六地蔵があるが、あれは前は避病院のところにあったがやいね。避病院が馬場の辺へ移ってから火葬場の近くへ移した。
  昔やよう赤痢がはやった。それにかかった患者はみな隔離すっためにここの避病院へ入れられた。そのころの薬やさかいいいもんもなかったげろさかい、ここへ入ったらほとんど死んでしまった。ここで死ぬと末坂の火葬場へもっていった。よう死んだので避病院のそばに六地蔵がたてられて亡くなった人を送った。
  家に赤痢患者が出ると大変なもんで、屋敷の回りに縄はいて人あ入れんがにして消毒した。家の中は仏さんだけで家のもんも入られなんだ。石炭酸か何かうち中白うした。見舞いに来ても遠いところから「オーイ、そくさいにおっかー」というくらいやった。

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