333.安楽寺があった話

春木    奥本  利作

  長連竜ちゅう殿様の子供で、目を患ろうとる姫様がおったがで、安楽寺に祈願して治ったという。そしたら殿様が、お礼に能登部にあった長様の土地を安楽寺にやって寺を建てた。そんで春木の安楽寺に長の一字をつけて「長楽寺」としたがで、寺の紋は「銭九曜」で長様の紋をもろたがや。
  安楽寺は真言宗の寺で、御祈祷寺のぎや。そんでこの辺な大方、真言宗の家ながで、安楽寺の祈祷所があったぎや。