326.瀬戸の団
瀬戸 島田 すず子
瀬戸に「団」という所があるわいね。軍団があったところやと聞いとるがで、そこには下郎の兵舎もあったり、山の峰にはのろしを上げるところや、見張り番の下郎がおったげといね。
瀬戸にはこんな唄があるわね。
瀬戸は名所の団殿(だんと)の屋、港なけれど船が着く
朝鮮からや出雲の国から、福浦の港へ船がやってくる。それの見張り役がこの団におったげなぁーと、この唄からも考えられるわね。ほんでも団の下まで船が行っとったがかね。団のところに「船団」と言う名の所もあるし、馬の足洗い場やったと言うとこもあるわね。