256.こんにやく三枚で京参り

瀬戸    池島  つや

むかし、あるところの爺さまが、歯がないもんで、こんにやく三枚をかじって、それが出りや、またそれを洗うてかじって、とくりかえして、こんにやく三枚で京参りしてきたちゅう話しや。
(通観394「けち話」)

(付記)

けち話

  きび一升で京へ行く
  三右衛門は京へ行くのにきび一升持って行ってきた。一升のきびを食べ食べ京都まで行って来た。口の中へ入れても噛まないで、小さいざるを持っていて、大便する時、その大便をとって、洗ってまた食べる。そしてきび一升で京都までいってきた。三右衛門話は奥能登地方に広く伝承されてきた笑話。能登の人気者、おどけ者、とんちにたけた小男であったといわれ、人々に親しまれた奇人であったという。
(通観394)