247.和尚も食べたくなつた青い菜つ葉

良川     千場  つき

  あるとこに、和尚と小僧とおったげぇ。和尚あ禅宗やもんで生真さいもんを嫌うげと、小僧ぁ禅宗のお寺へ奉公にきて修行しておるげけれど、家ぁ「なんまいだあ」やもんで、魚も食われるし、生臭いこともなっともないげえちゃ。
  ほしたら、お寺の境内にちょっこり畑があって、和尚と小僧が一緒に菜つ葉を作っておったげ。
  いよいよ食べるときに、別々に皿に盛って見たら、和尚ぁ自分のが赤くこわそうやし、小僧のが青々とやわらかくうまそうやもんで、和尚あ小僧に
「どうしてお前の菜つ葉やわらかくうまそうながや」て、尋ねたら、小僧ぁ
「立小便でも肥やしをやっておるげ、和尚のがなんもやらんもんでこわいげ」て言うたげぇ。
  そしたら和尚ぁ、ほんなら一って、菜を盛った小皿を、小僧の股のとこへやつげたと。