211.いもふとこうふ

瀬戸    笹谷  よしい

  京参りしたら「いもふ」で食うか、「こうふ」でくうかて言うたとい。そしたら在郷のもんな知らんもんで、「いもふ」ちゅうもんな何んしたもんやろうと思うて、
「いもふ」くれちゅうたら、手のすった団子のようなもんのおつけやったとい。そやもんで、こんなくらいなら違うたもん言えやよかった。こんなもんないつでも食べとるがで、
「こうふ」くれて注文したもんな、豆腐の入ったおつけが出た。「こうふ」ちゅうが豆腐のことか、豆腐あ、祭りか正月かのとき式のとき食べとるが、いいがに聞いて食べりやよかったちゅうてくやしがったとい。