132.猫の怜返し

末坂    三野  喜美子

  お爺とお婆と居って、自分等も食べられんがになってしもたもんで、猫を出いてやったら、恩返しのがか、ある日軒下に米や種物を置いてあったとい。ああ、あの猫が持ってきてくれたぎゃなあ、と思うて拝んで、それをいただいたと。そしてその種物を蒔いたらだんだん増え、だんだん増えしておおきくなったといね。
  けんけんぽっとくそ。
(大成230 「猫檀家」・通観156「猫檀家」)