110.かぐや姫

良川    千場  つき

  むかし昔、お爺さんとお婆さんと居ったぎいと、そのお爺とお婆に子供が居らいで泣いとったぎい。そしたらある月夜の晩に竹を切ったら竹の中から小さい"タア坊"が出たと、何んちゅう名を付けようやと爺じと婆ばと竹子にするか梅子にするかていうとったれど、その夢の告げみたいがに"かぐや姫"ちゅうがにしてくれちゅうて、その娘がいうたちぎい。
  そしてかわいがってかわいがって居ったけど寿命が来て天へ泣いて別れて行くがを爺と婆が見送ったげ。
  毎日毎日子供が欲しいと爺と婆と祈っとったぎいと、そして授かったぎいと。これが別れていったかぐや姫の片身やったげろね。
  これでへんけんぽったりこ、なめてみたらからかった。
(大成146「竹姫」)

(付記)

竹姫

爺が(婆)竹の中から女児を発見して子供にする。宝物(つきぬ飯びつ・しゃく子)を与えて天に帰る。